アフィリエイターはクズばかり

インターネットはアフィリエイターのせいで汚染されている。これは少し大げさだが、アフィリエイターが汚染の一因になっているのは間違いない。というのも、Google検索で出てくる記事やマーケティング用SNSにはアフィリエイターが関わっていることが多く、殆どのアフィリエイターは自分の利益しか考えていないクズだからだ。少なくともユーザーが普段目にするようなコンテンツの多くは、クズなアフィリエイターが作成していると思って良い。なおここでは、アフィリエイターとは個人や法人を含む、アフィリエイトを行っている人や団体全般を指すこととする。恥ずかしながら私自身もアフィリエイターの端くれであり、その視点からアフィリエイターのクズさを見ていく。

前提:アフィリエイトは真っ当な仕組み

ネットユーザーの中には、アフィリエイトという仕組みそのものに嫌悪感を抱いている人もいるだろう。しかしアフィリエイトは広告の真っ当な仕組みであり、決して悪どいものだったり怪しいものだったりするわけではない。企業側がリスク無く広告を打てる仕組みがアフィリエイトだ。通常のテレビCMや街中にある広告の場合、企業側は大きなリスクを負う必要がある。数百~数千万の費用を掛けて広告を打つとして、広告費以下の売上しか出ない可能性がある上に、そもそも広告効果を正確に測定するのも難しい。しかしアフィリエイトであれば、実際に商材が売れた分だけを広告費としてアフィリエイターに支払えば良いためリスクにならない。しかも個人個人が広告塔になってくれるため、通常ではリーチできなかった層にまで広告を届けられる可能性がある。例えばYouTuberが「おすすめグッズ10選」というような動画を出し、紹介したグッズのAmazonリンクが概要欄に貼られているのを見たことがある人も多いだろうが、これは基本的にはアフィリエイトだ。リンクがアフィリエイトリンクになっていて、視聴者がそれをクリックして商品を購入すると、AmazonからそのYouTuberに、購入額に応じた広告費が支払われる。Amazonにとっては商品が売れ、YouTuberにとっては紹介料としてお金が貰え、まさにウィンウィンだ。しかも本来であれば、第三者であるアフィリエイターが商材を評価した上で消費者におすすめするので、消費者はその商材の公平な評価を知ることができ、購入の検討にあたってポジティブに働くはずなのだ。

金儲けのためにクズになるアフィリエイター

アフィリエイターが商材を紹介し、消費者に購入させることができればお金を貰えるということは、逆に言えば購入させることができなければお金は貰えないということだ。ここで人間のクズな部分が顔を覗かせる。つまり仮に低品質な商材であっても、低品質という欠点を隠してさえおけば、消費者を騙すことができて購入に繋がるというわけだ。消費者にとっては残念なお知らせだが、実際にこの手口は横行している。例えばTemu。リテラシーの高い人であれば、Temuというショッピングサイトの危険性については知っているだろう。Temuは詐欺まがいの広告を多数打っているだけでなく、クレジットカードの不正利用詐欺まがいの商品基準値を越える発がん性物質を含んでいる商品すらあるという報告が多数上がっている。これらの情報を踏まえると、Temuの利用は避けた方が良さそうだという結論になるのが一般的なはず。しかしGoogle検索で上位に上がっているアフィリエイトサイトを見てみると、Temuは安全であり、個人情報漏洩の心配もないと書いてある。クレジットカードを使う以上、情報漏洩のリスクは常にあると書き、Temuを擁護しているサイトもあるが、不正利用がさも一般的なことのように書くのは辞めるべきだ。その中にはアフィリエイト界で有名な法人の大手サイトも含まれていて、大手サイトですらクズであることが分かる。

この例は氷山の一角であり、実際はあらゆるジャンルで似たようなことが行われている。Temuと同じく、新規で安価だが低品質という商材に多い。新規の商材なので競合が少なく、安価なので大衆受けして購入に繋がりやすいという強みがあるからだ。競合を増やしたくないので詳しくは言わないが、私が取り組んでいるジャンルにおいても同じことが起きている。上位表示しているサイトの中で私のそれ以外は、ある商材の問題点を隠していて、読者に購入してもらうように促している。ネット上の悪い噂に関しては全く気にする必要はないと、根拠なく書いているサイトすらあるのだ。このように、致命的な弱点は書かないというのがアフィリエイトで稼ぐための鉄則となっているのだが、果たしてそれは意義のある仕事と言えるのだろうか。消費者を騙して低品質な商材を売りつけるのがマーケティングなのであれば、今すぐこの世から消えた方が良い。

今やGoogle検索の信頼性は低い。Google検索では、法人の運営するサイトが優先的に上位表示されるようになっている。というのも、法人サイトはSEO対策(検索上位を取るための対策)に多大なコストをかけているだけでなく、検索順位を決めるGoogleのアルゴリズム自体が、法人サイトを信頼性の高いものとして優遇するように作られているからだ。私が取り組んでいるジャンルにおいても、クオリティが高く情報量の多い個人サイトが、内容が薄すぎて何の役にも立たない法人サイトに検索順位で負けているどころか、検索1ページ目に入っていないことすらある。話を戻すと、法人サイトは個人サイトに比べると利益をより重視しているかつ、問題に発展しないように当たり障りのない内容しか掲載しないため、先の例のように商材の致命的な弱点を隠す傾向が強い。尤も個人サイトでも、検索上位に上がっているようなサイトの殆どは利益を重視していて、法人サイトと同様の有り様なのだが。つまり少なくともレビューや評判において、Google検索はクズなアフィリエイトサイトに汚染されていて、信頼性は低いということになる。

他人を不幸にして飯を食う

今回はアフィリエイターを槍玉に挙げたが、クズが他人を不幸にしてお金を稼ぐという行為は世界中で行われている。インターネットやAI技術により、大人数に対して商材を売る難易度が下がっていることもこの流れを加速させていると考えられる。複数のソースから情報を得て、何が「正しい」のかを自分で判断できるリテラシーを持つ人ばかりであれば良いが、現実はそうではない。例えば若年層の利用者が多いTikTokでは大量の詐欺広告が流れていたり、違法商品が販売されていたりして、実際に購入している人も存在する。つまり大量のクズが大量の情報弱者を騙して金儲けをしているという現状がある。クズは逮捕されていないだけの「犯罪者」と言える存在であり、実態としては詐欺師や闇バイトと同類だ。全員消え失せてくれたほうが世のためである。