赤いきつねと緑のたぬきのCMが炎上しているらしい

またツイフェミが騒いでいる。2025年2月に公開された赤いきつねと緑のたぬきのCMをめぐって「性的搾取だ」「女性の尊厳を踏みにじられた」などとごく一部で話題になっている。というのも赤いきつねのCMで女性が食す際には涙目で頬を紅潮させている一方で、緑のたぬきのCMで男性が食す際には頬が紅潮していない。これは女性の性的搾取だという主張だ。

結論:文脈を読め

確かに暖かいカップ麺を食べていて女性だけが頬を紅潮させているというのならば、何らかの意図に基づいてそうなっていると考えるのも無理はないだろう。しかし文脈を読めば、女性だけが涙目で頬を紅潮させていることに違和感はない。赤いきつねのCM冒頭では、この女性は感動モノの恋愛ドラマか映画かを観ていて、ティッシュを手に取るほどに涙を流しているのだ。赤いきつねを食しているのは泣いた直後であり、涙や頬の紅潮が残っていることに違和感はない。むしろ先ほどまで号泣していたのに次のシーンでは真顔になっている方が不自然だ。

緑のたぬきの文脈も考えよう。男性は学校教員であり残業をしている、そこで緑のたぬきを食す、それだけだ。男性は感動モノの恋愛ドラマを見ているわけでも、度重なる残業が悔しくて涙を流しているわけでもない。ただ緑のたぬきを食べているだけだ。ここで赤いきつねの女性のように涙を浮かべて顔を真っ赤にしている方が不自然だ。酒を飲んだのなら真っ赤にもなるが。付け加えると、男性がスープを飲んだ際に頬がやや紅潮している。

文脈を読めば、この女性と男性との表情の差に違和感はない。

構成が問題なのか

女性が家にいて男性が職場で残業をしているという構成がそもそもおかしいという声もあるようだ。しかし「家でも外でも赤いきつね/緑のたぬきを食べてね」というメッセージがあるとするならば、家や職場で食べるという構成に問題はない。

では女性が残業して男性が家であれば、女性の頬を紅潮させる必要がないではないか。ただしこれだと消費者に刺さりにくくなる。女性より男性のほうが残業時間が長い傾向にあるからだ。dodaやリクルートエージェントに記載されているデータによれば、男性の残業時間は女性のそれの1.5~2倍ほどだ。つまり男性が残業しているCMの方が、消費者の購買意欲を掻き立てやすいと考えるのが自然だ。

そもそも女性が恋愛ドラマを観ているという構成にしなければ、涙も頬の紅潮もなかったのではないかと言う人もいるだろう。これは赤いきつね/緑のたぬきが、冷え切った心身を暖めてくれる商品だという表現と考えられる。赤いきつね/緑のたぬきのCMの季節は冬であり放映時期も冬であること、そして女性は恋愛ドラマを観て、男性は残業によって心にダメージ(のようなもの)を負っている、そこで暖かい赤いきつね/緑のたぬきを食べて回復するという構成だ。ソファーで横になってスマホをポチポチしながら真顔で赤いきつねを食べるという構成に暖かさは感じにくいだろう。それに家で心にダメージを負うことといえば感動モノの恋愛ドラマ、と考えることに違和感はない。データとしてはやや古い(2018年前後)が、夜にドラマや映画を観る女性がかなり多いというデータもあった。

CMにリアリティがなさすぎるという声もある。しかしこれに限らず、「CM上の演出です」という文言がこの世に存在するように、そもそもCMにはリアリティがない(少ない)ものだ。CMとは自社の商品やサービスを魅力的、印象的に見せるためのものであり、例えばきったなくて薄暗い部屋でデブの小汚い不幸そうなおじさんおばさんが一人寂しく麺をすするCMを放映して誰がその商品を買うのか。

赤いきつね/緑のたぬきのCMの構成に問題があるとは考えられず、ツイフェミの被害妄想でしかないと言える。

ツイフェミの質の悪さ

ツイフェミの質が悪いのは、自分らの意見が絶対的に正しいと思い込んでいることだ。これはエコーチェンバー現象および知能の低さによるものだろう。Twitterで同意見の集団に入り、同意見のツイートを四六時中浴びることにより、自分らの意見が一般的であり正当な意見だと思ってしまっている。そして他者の意見を聞く気や能力がないことにより他者の意見を理解できず、自分らがマイノリティであると気付くこともない。能力の低さに関しては主観だが、反対意見に対して人格攻撃をして話題をそらしたり、社会や男性のせいにしてスケールを大きくすることでごまかそうとしたりする人に知性を感じろというのは無理な話だ。果てには「女性みんなが同じように思っている」という主張をするのだ。小学生の言う「クラスのみんなが持ってる」のほうがまだ「みんな」だろう。

「炎上するのはみんなが同じ問題意識を持っているからだ」と言う人もいるが、そもそも炎上はごく少数の人が燃やしているだけなのだ。0.00025%というデータもあれば0.5%というデータもあるが、いずれにしてもごく少数の人だけが騒いでいる。今回の件で言うなら、赤いきつねのCMに性を感じて騒いでいるのは0.00025%の人だけというわけだ。これをさも社会全体が取り組むべき問題かのように主張するのは止めていただきたい。

CMを観てどんな感想を抱くかは人それぞれであり、「性的だ」と思うこと自体を否定はしない。しかしそれがマイノリティであり異端、異常であることは自覚すべきだ。