スターレイルでキャラクターを育成する際、多くの人は攻略動画などを観て思考停止で育成方針を真似ているだろうが、中には「なぜ会心ダメージではなく会心率を稼ぐのだろう」というようにテンプレに対して疑問を抱く人もいる。特にアタッカーの育成に関しては興味のある人が多く、会心系ステータスと攻撃力のことを考えると夜も眠れなくなる人もいるだろう。そこで会心系ステータスと攻撃力とのバランスについて軽く触れていく。
前提&要点:ダメージ計算式
スターレイルでのダメージ計算式は以下の通り。
ダメージ=ダメージ基礎値(攻撃力などを含む)×会心係数×与ダメージ係数×(防御系の様々な係数)
スターレイルにおいてダメージ計算は基本的に乗算で行われる。つまり1つのステータスだけが飛び抜けて高いより、全体的に程良く高いほうがダメージを出すことができる。(例えば10を割り振るときに、2×8や3×7より5×5のほうが大きくなる)
実際のステータスで言うなら、例えば会心ダメージだけが極端に高いより、極端に高い分の会心ダメージを会心率や攻撃力に振り分けたほうがダメージ期待値が高くなるというわけだ。
会心率と会心ダメージについて
会心率1:会心ダメージ2の状態が最もダメージ期待値が高くなる。これはそれぞれのステータスにおける、サブステータスの強化量に由来する。1回のサブステータス強化幅が、会心率は2.5~3.2%、会心ダメージは5.1~6.4%であり、強化幅が1:2になっていて、会心率1.0%と会心ダメージ2.0%が同価値というわけだ。(ステータスは少数第2位以下まで存在する)
これをもう少し見ていこう。n回のサブステータス強化で会心率が75.0%、会心ダメージが150.0%になったとし、この時のダメージ期待値を100.0%とする。ここからそれぞれの強化回数を増減し、最も期待値が高いのは1:2のときであることを確認する。
期待値 | |
---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ150.0% | 100.0% |
会心率72.1%(-1回) 会心ダメージ155.8%(+1回) | 99.9% |
会心率77.9%(+1回) 会心ダメージ144.2%(-1回) | 99.9% |
会心率69.2%(-2回) 会心ダメージ161.6%(+2回) | 99.7% |
会心率80.8%(+2回) 会心ダメージ138.4%(-2回) | 99.7% |
これを見れば分かるように、1:2から遠ざかるほどダメージ期待値が下がる。誤解してはいけないのは、必ず1:2にする必要はないということだ。当たり前だが、例えばn+1回の強化で会心率75.0%、会心ダメージ155.8%になったのなら、強化1回分だけダメージ期待値は高くなる。
他の例を用いて会心率と会心ダメージのバランスの重要性を考える。先ほどと同様にn回のサブステータス強化で会心率が75.0%、会心ダメージが150.0%になったとし、そこからさらにサブステータス強化を4回行うとする。
期待値 | |
---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ150.0% | 100.0% |
会心率86.6%(+4回) 会心ダメージ150.0% | 108.2% |
会心率75.0% 会心ダメージ173.2%(+4回) | 108.2% |
会心率80.8%(+2回) 会心ダメージ161.6%(+2回) | 108.5% |
これを見れば分かるように、1:2の状態からどちらか片方だけを高めるより、両方を高める方がダメージ期待値は高くなる。
さて、これらから得られる洞察としては、会心ダメージが200.0%を越えるような場合、会心率を100.0%にした方がダメージ期待値は高くなるということだ。n回のサブステータス強化で会心率が75.0%、会心ダメージが200.0%になったとし、そこからさらに4回のサブステータス強化を行ったとする。
期待値 | |
---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ200.0% | 100.0% |
会心率86.6%(+4回) 会心ダメージ200.0% | 109.3% |
会心率75.0% 会心ダメージ223.2%(+4回) | 107.0% |
会心率80.8%(+2) 会心ダメージ211.6%(+2回) | 108.4% |
1:2から大きく離れた状態からさらに会心ダメージを稼ぐより、会心率を稼いで1:2に近づける方がダメージ期待値は高くなることが分かる。例えばマダム・ヘルタは、自身のバフによって会心ダメージ200.0%を達成しやすいため、(様々なバフ込みで)会心率100.0%を目指したほうが良いとされているのだ。
会心系ステータスと攻撃力について
会心率1:会心ダメージ2に近いほうがダメージ期待値は高いことは分かったが、ここに攻撃力を加えるとどうだろうか。答えは簡単で、バランスが大事だ。
n回のサブステータス強化で、攻撃力3000.0(基礎攻撃力1300.0)、会心率75.0%、会心ダメージ150.0%になり、その時のダメージ期待値を100.0%とする。そこからさらに4回のサブステータス強化を行ったとすると以下のようになる。
期待値 | |
---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ150.0% 攻撃力3000.0 | 100.0% |
会心率75.0% 会心ダメージ150.0% 攻撃力3197.6(+4回) | 106.5% |
会心率80.8%(+2回) 会心ダメージ161.6%(+2回) 攻撃力3000.0 | 108.5% |
会心率80.8%(+2回) 会心ダメージ150.0% 攻撃力3098.8(+2回) | 107.5% |
攻撃力が既に十分に高い場合、会心系ステータスを稼いだ方がダメージ期待値は高くなることが分かる。この例であれば、攻撃力2300.0ほどを上回る場合は会心系を稼ぐ方が良い。
さて、攻撃力も交えたところで、会心率1:会心ダメージ2の効率の良さを再度見ていこう。n回のサブステータス強化で、攻撃力3000.0(基礎攻撃力1300.0)、会心率75.0%、会心ダメージ200.0%になり、その時のダメージ期待値を100.0%とする。そこからさらに4回のサブステータス強化を行ったとすると以下のようになる。
期待値 | |
---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ200.0% 攻撃力3000.0 | 100.0% |
会心率75.0% 会心ダメージ200.0% 攻撃力3197.6(+4回) | 106.5% |
会心率86.6%(+4回) 会心ダメージ200.0% 攻撃力3000.0 | 109.2% |
会心率75.0% 会心ダメージ223.2%(+4回) 攻撃力3000.0 | 106.9% |
会心系だけで考えたときと同じく、会心ダメージ200.0%の場合は会心率を100%に近づけたほうがダメージ期待値が高くなる。なお、会心率が100%に達した場合も、攻撃力ではなく会心ダメージを稼いだ方が良い。(もちろん攻撃力がある程度以上に達しているのが前提)
単一ヒットのキャラの場合
会心系ステータスが非常に重要であり、会心率1:会心ダメージ2が最も効率が良いことは分かったが、実際はキャラクターや考え方ごとにやや異なる。キャラクターごと、スキルごとにヒット回数が違うからだ。例えばゼーレの戦闘スキルは単体に3ヒットするが、必殺技は1ヒットしかしない。1回1回のヒットごとに会心判定が行われ、複数回ヒットする攻撃は試行回数が多いということであり、実際のダメージが期待値に近くなる。一方で1ヒットしかしない攻撃に関しては下振れを引いてしまうとダメージが一気に落ちてしまう。
期待値 | 会心時のダメージ | |
---|---|---|
会心率75.0% 会心ダメージ150.0% | 100.0% | 100.0% |
会心率86.6%(+4回) 会心ダメージ150.0% | 108.2% | 100.0% |
会心率75.0% 会心ダメージ173.2%(+4回) | 108.2% | 115.4% |
会心率80.8%(+2回) 会心ダメージ161.6%(+2回) | 108.5% | 107.7% |
つまり主に必殺技において複数回ヒットするキャラクターの場合は期待値が高くなるように会心率と会心ダメージの両方を稼いで良いが、1ヒットしかしない場合は期待値より会心率を重視して安定した火力を目指した方が良い。なお特殊なケースだが、上振れを狙いたい場合は会心ダメージを稼いだ方が良いだろう。